会津美里町「蓋沼森林公園」 2017年 春

磐梯山を背景に広がる会津盆地を一望できる会津美里町の「蓋沼森林公園」に行くため、JR只見線に乗車した。

この「蓋沼森林公園」から見下ろすその景観は“蓋沼俯瞰”と呼ばれ、公園に向かう坂道の途中から見える“根岸俯瞰”とともに、田園の中を列車が進む風景を一枚に収められる只見線内有数の撮影スポットとなっている。

 

「蓋沼森林公園」の最寄り駅は只見線・根岸駅だが、距離が約6kmで、かなりの坂を登り続けるため徒歩移動はきつい。

自転車も途中から押してゆく事になるが、帰りは坂道を一気に下れるため、全体を考えれば大きな負担ではない。駅周辺は会津盆地の平坦な地を走られ、景色を楽しみながらサイクリングができる。

根岸駅、次に近い会津高田駅にもレンタルサイクルがあれば、「蓋沼森林公園」を核に只見線へ集客できる環境にあると私は思う。

 

今日は「SL只見線新緑号」も走る事から、根岸駅で下車した後は輪行した自転車で移動し、只見線の列車を撮影する“撮り鉄”になる。

旅程は以下の通り。

・根岸駅で下車、自転車で移動し、最後は会津若松駅に戻る

・七折峠に突入する「SL只見線新緑号」を撮影

・「蓋沼森林公園」から水田の中を走る只見線の列車(キハ40系)と「SL只見線新緑号」を撮影


今朝も磐越西線の始発列車に乗るために郡山駅に向かう。

天気予報通り、綺麗に晴れ渡った。

1番ホームに停車中の列車に輪行バッグを携えて乗車。

5:55、定刻に出発。

 

切符は、只見線内は会津若松~根岸間だけの乗車ということで「W切符」を利用。

 

 

中山峠を越え会津地方に入っても晴天は続く。予報通り。

磐梯山もクッキリと見えた。

 

7:09、定刻に会津若松駅に到着。

駅舎上空にはきれいな青空が広がっていた。

会津・鶴ヶ城のそれに合わせた赤瓦風の屋根が映える。

 

駅舎内に戻り、切符を購入し改札に入ろうとして列車案内を見ると「SL只見線新緑号」の表示が。

ちなみに、只見線は7:37の次は13:07と5時間30分間も列車が無い。

このため臨時列車をダイヤに組み込むのは容易だと思われる。

 

連絡橋から列車越しに磐梯山の稜線がはっきりと見えた。

 

4番ホームの列車の乗り込むと全てのBOX席に乗客の姿が見えた。

三脚を持った乗客も多く、SLを撮影するのだろう。

 

根岸駅まで乗車料金は240円。

 

7:37、只見線の列車は定刻に出発。

この直前、大きな汽笛が聞こえ「SL新緑号」を牽引する「C11 325号」が後退して待機線上の客車に向かっていった。

只見線内を走る姿が楽しみになる。

 

 

七日町西若松を経ながら列車は快調に走り、阿賀川(大川)を渡る。

清流、緑、青空。この車窓の風景も私は好きだ。

 

会津本郷を過ぎると本格的な田園風景が始まる。

ほとんどの田んぼに水が張られ、田植えが済んだ畝も多い。

会津高田を過ぎて北に大きく進路を変えると、前方に冠雪した飯豊連峰が霞んで見えた。

また少し進むと、右(東)に磐梯山が見えた。

田植えのこの時期、一面水鏡となった会津盆地を駆け抜ける只見線の車窓の景色も爽やかで素晴らしい。

「蓋沼森林公園」からこれら水田と列車がどのように見えるのか楽しみになった。

 

 

8:07、根岸に到着。初めて降りる。

京浜東北線が乗り入れる神奈川県の根岸線の根岸駅と同名だが、立地場所は180度違う。

田んぼの中の駅だ。

駅舎は待合所になっている。

高校生が使うことが多い駅だと思うが、過去にどんな風景があったのだろうか。

 

ここからは自転車で移動する。

輪行バッグから取り出し、すぐに組み立てる。

輪行バッグを畳む方が時間がかかる。

 

只見線に直交する県道59号(会津若松三島)線をわずかに東進し、右折。

真っすぐ伸びた農道を自転車で駆ける。

田植え機が残した端の部分を手で植えているご婦人の背後には飯豊連峰が見えた。

会津の春の風景。美しい。

 

  

再び県道59号線に入り、しばらく進み右折し県道365号(赤留塔寺)線に入る。会津盆地の西の縁を北上する。

この県道365線は約1500年前の修験者の道の一部で、国宝・重要文化財に指定された寺社・仏閣が多いため「会津まほろば街道」と称して、地域観光振興をしている。

*参考:会津まほろば街道推進協議会 URL: http://aizu-mahoroba.net/home/

 

今日の移動範囲には二つの寺にそれぞれ重文がある。

・法用寺。会津三十三観音の第29番札所。会津坂下町の恵隆寺に次いで、会津で二番目に古い寺院。像高2mを越すケヤキの一木造の木造金剛力士像(平安時代)が国重要文化財。
・弘安寺(中田観世音)。会津三十三観音の30番礼所で野口英世も参拝している。御本尊の十一面世観音菩薩(鎌倉時代)が国重要文化財。

 

 

県道を進み、森林が続く左手を見ると、所々に紫の花があった。

野生の藤だと思われる。

葡萄の房を思わせる咲きっぷりに、しばし見惚れる。

よく見ると紫の濃淡が見られ、陽の光に一層映えていた。

 

 

県道365号線は会津盆地西辺の少し高い位置を走っている。

ある程度走ったところで振り返ると、磐梯山に向かって広がる水田が見えた。

会津の力を感じる光景だ。

 

また、しばらく進むと会津坂下町に入る。

引き続き、左に新緑の森、右に水の張られた田を見ながら進む。

 

ふと田を見ると、歩くカモの姿が。

水の上を泳ぐカモとは違った、愛らしい姿だった。

 

 

根岸駅を出発して約40分。

最初の目的地である、七折峠の入口に到着。

 

直近の糸桜農村公園の駐車場には県外ナンバーの車が停まっていた。

撮影場所と決めておいた「杉第二踏切」付近に行く。

列車はこの緩やかな勾配を駆け上り、七折峠へと入ってゆく。

おそらく「SL只見線新緑号」は蒸気を蒸かしてここを通過するだろう。

 

撮影場所は、踏切から農道を会津若松方面に50mほど進んだ所と決め待ち続けた。

そばには名を知らない黄色い花が咲いていた。

SLはこの花が咲く法面の上を走ってゆくことになる。

 

 

...到着してから約1時間。会津若松行きの上り列車が通過する。

この列車が次駅・会津坂下駅でSLとすれ違いを行う。

SLの到着まで間も無くとなり、付近には多くのカメラマンが集まり、三脚をセットしていた。

会津坂下町やJR東日本の職員までやってきて、これら“撮り鉄”諸氏に注意を促していた。

 

撮影場所で待っていると、大きな汽笛が数回鳴り響いた。

会津坂下駅方面を見ると、煙が立ち昇る。

そして、10:10頃、この煙が動き出す。

10:11、とうとう「SL只見線新緑号」が顔を出した。

勢いよく蒸気を吹き出し、迫ってくる。

SLは何度も見ているが、これほどの爆煙は初めて。

七折峠に突入する気迫が感じられた。

 

SLは磐梯山を背に勾配を登り始める。

そして、間もなく私の目の前を通過。

力強い雄姿に圧倒されるが、なんとかシャッターを切った。

三両目の客車が途中で切れて惜しかったが、自分としては満足できる一枚が撮れた。

 

「SL只見線新緑号」の後ろ姿を追う。

『乗りたかった...』と思ってしまった。

実は今日は休みをとってこのSLに乗車するつもりだったが、予約日を忘れてしまい、二日後の4月22日に予約を入れるが完売で乗る事ができなかった。

次回、今年11月に走る予定の「SL只見線紅葉号」には乗車したい。

 

SLが過ぎ去った後も、七折峠の方では汽笛が数度聞かれた。

森からは黒煙が立ち昇っていた。

今日、撮影場所をこの場所にして良かったと思い、『SLを撮るなら七折峠』と考えたりもした。

 

 

しばらくSLの余韻に浸った後、来た道を引き返す。

再び会津美里町に入る。

 

しばらく進むと、往路でも気になった出戸田沢農村公園に立つモニタリングポストが現れた。

数値は低い(0.068μSv/h)が、会津の西に設置されている我が福島県の姿に、気を引き締めた。

 

 

自転車を進めると、往路に見られなかったトラクターによる“代掻き三重奏”が見られた。

一帯は、この土日で田植えはほぼ終わるのだろう。

 

 

県道365号線をひたすら進み、佐賀瀬川を渡り、小高い場所にある新鶴温泉健康センターの前にある案内板の前で停車。脇に歴史を感じる小さな道標があり、「旧銀山街道」とあった。

現在の柳津町にある軽井沢で銀が採掘され、会津藩の収入になっていたという。

 

ここからわずかに坂を下った場所に、カフェ「Hattando」がある。

昼食はここで、と決めておいた店だ。

会津盆地を見下ろす高台にあり、店内から眺める景色に期待がもてる。

 

建物は南国風だが、果樹畑が前面に広がるため違和感は無い。

店名の「Hattando」とは県道365号(赤留塔寺)線に重なる古道の名称“八反道”から名づけられたという。

この八反道については福島県会津若松建設事務所のホームページに詳しい。

*参考:「八反道」と呼ばれる古道 URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/41340a/www-wakamatsu-kensetsu251.html

 

店内に入ると、入口では会津美里町の公式キャラクターである「あいづじげん」がカップに入ってお出迎え。

水色の人形は、福島県の民放6chのキャラクター「ロッキュン」。

取材でもあったのだろうか。

 

前会計になっているようで、レジ前で注文と支払いを済ませ、カウンターの席に座る。

想像以上の素晴らしい景色に感動した。

目の前には葡萄の幼木が碁盤の目のように植えられていて、前の看板には“欧州系ワイン専用葡萄試験栽培農場”と記されていた。

 

間もなく料理が運ばれてくる。

「農高タマゴのオムライス」をランチセットでお願いしていた。

“農高”とはお隣り会津坂下町にある会津農林高校。

そこの生徒達が生産している卵を使っているという。

新聞報道で知ってから、ここを訪れたらまずは“農高オムライス”と思っていた。

 

見た目から、食欲がそそられた。卵の香りも立ち、食べる前から期待した。

一口スプーンを入れるが、卵の絶妙な柔らかさとしっかり炒められたライスの競演に笑顔がこぼれた。これは旨い!

デミグラスソースは、卵の素材の良さを殺さない程度のコクと味で、こちらにも感心した。

また食べたいと思う一皿だった。

 

食後、アイスコーヒーを飲みながら景色に見入っているが、これだけの逸品を提供する店には昼時という事もあり、次から次へと客が来店した。

食後のデザートと思ったが、次回の楽しみにして、店を後にした。

 

 

県道365号線沿いには果樹畑が多くあり、ほとんどが葡萄と思われた。

葡萄が実る枝にビニールの傘をかぶせる育成方法。初めて見た。

もちろん露地ものもあった。

この付近は2005(平成17)年9月までは新鶴村で、新鶴産のブドウは醸造大手のメルシャン(山梨県勝沼市)で「新鶴ワイン」として製品化されている。

 *参考:メルシャン  URL:http://www.chateaumercian.com/lineup/terroir/niitsuru_chardonnay.html

 昨年(2016年)の1月には現地にワイナリーを作ろうとNPO法人が設立されるなどの動きがあり、今後に注目が集まる。

 *参考:NPO法人会津ワイナリー会 URL:http://aizuwinerykai.main.jp/awk.html

会津美里町にワイン醸造所ができ、正真正銘の“新鶴ワイン”を飲むことができれば、アルコールということもあり、日本酒とともに只見線の利用促進、沿線の観光・交流人口増につながると思う。

大いに期待したい。

 

 

県道365号線の坂を下り切り、2kmほど平坦な道を進むと、本日の目的地「蓋沼森林公園」の入口が見えた。

ここから、坂を登るが、傾斜がきつく大半を自転車を押して進んだ。

登坂途上、うっそうと茂る新緑が途切れた場所からは会津盆地の様子が見えた。

 

坂道は自動車のすれ違いがギリギリできるような幅。

すれ違いの待機場所もあるが、互いに配慮しなければ接触事故は容易に起こり得るような道路事情だ。

 

途中、紫の花が見られたが、藤ではなく桐の花だった。

遠くからは何度も見たが、これほどの至近距離では初めて。

よく見ると、ユニークな花の付け方をしている。

桐は只見線の沿線、三島町の“町の木”に指定されている。

 

 

「蓋沼森林公園」に続く道を登り始めて約25分。一気に開けた場所に着いた。 

木立の間から、素晴らしい風景が広がっていた。

これだけの景観。“撮り鉄”諸氏が放っておくわけが無く、列車の通過時刻には10人を超える方々が三脚を設置していた。

路上駐車された車のナンバーは全て県外。中には札幌ナンバーもあった。

“撮り鉄”は生活を掛けた趣味、とどこかで聞いたフレーズが頭をよぎった。

 

ここからは私が下車した根岸駅も見えるため、列車が通過する時間まで待つことにした。

 

 

...そして待つ事1時間10分。13:33に会津川口行きの下り列車を捉えた。

私の“相棒”は光学10倍(望遠250mm)のコンデジ。精一杯の一枚を撮ることができた。

 

根岸駅に停車する様子も撮影。

根岸駅は、列車が走らなければ駅である事を見過ごしてしまうほどの立地と規模だ。

 

 

撮影後、公園を目指して再び自転車を押しながら登坂する。

急な坂と激しい陽ざしに、少し意識が朦朧とした。

 

先に進むと、途切れた木々の付近に、また“撮り鉄”諸氏の姿があった。

SLの魅力か?、SLが只見線を走る価値か?

いずにせよ、この“集客力”には驚かされる。

 

  

かなり上った位置で振り返ると、飯豊連峰が見えた。

 

「蓋沼森林公園」のゲート前には10台ほどの車が停まっていた。

事前の情報では、ゲートが8:30~17:00と決まっているため、この付近に撮影場所があるという。

少し探すと茂みの中に空間があり、地に生える草が踏みつぶされていた。

ここに入ってみる。

先の方からは人の声が聞こえる。

間もなく、前方が開け、10人ほどの“撮り鉄”諸氏が三脚を前に立っていた。

先ほどの場所より高度があり開けている。

さらに、前方の木々は低く、只見線を広範囲で捕捉することができる。

 

先ほど撮影した列車と会津坂下駅ですれ違う会津若松行きの列車を撮影しようと、しばらく待つ事にした。

13:57、『根岸駅を出ました!』、『来るぞ!来るぞ!』という声がして、前方のシャッターが押し出された。

私も、何とか“撮り鉄”諸氏の間にレンズを向けて撮影した。

次は必死にズーム操作をしてシャッターを押す。

追う形となったが、田植え作業の軽トラが点在する中を進む列車を切り取る事ができた。

 

この“ゲート付近の茂みの中”は良い撮影場所、と思いながらも、肝心の「蓋沼森林公園」に行かなければと思い、後にする。

 

 

自転車を押し、時に漕ぎながら登坂をする。

途上、「台東区記念の森」付近の空地にも多くの車両が見られたが、ここは通り過ぎた。

14:08、ようやく「蓋沼森林公園」の管理事務所駐車場に到着する。

県道365号線を右折し登坂を開始してから、寄り道や列車撮影の待機をしたため、2時間が経過しているが、計算してみると自転車を押して登ってきても約30分で着くことが分かった。

10kg程度の自転車ならば大きな負担無く来ることができるのではないか。

 

公園の案内板を見る。

公園には3つの沼があり、一番小さな沼には浮島があり、これが沼に蓋をしているようだということで“蓋沼”と呼ばれ、公園の名の由来となっている。

今回はこれ以上の登坂はキツイと思い、この蓋沼を見る事は次回の楽しみとした。

 

駐車場の先端部、五右衛門風呂がある東屋付近にはすでに三脚が林立していた。

ここから会津川口駅から折り返して会津若松駅に向かう「SL新緑号」の姿を撮影しようという“撮り鉄”諸氏だ。

 

私はフェンスに近づき、今日の一番の目的である「蓋沼森林公園」からの眺望に目を凝らした。

会津平野の広がりや奥行きを感じられる景観で、期待に違わぬものだと思った。

 

しかし、前面に木々があり、只見線の路線を隠していた。

どうやら先端の東屋付近が、只見線を通る列車の撮影には良いようだ。

 

...私が到着してから1時間半が過ぎ、SLの通過時刻が近づく頃には、次から次に車がやってきて、ドライバーは三脚を担いで東屋付近に移動、隙間を見つけて設置していた。

 

“撮り鉄”諸氏は30人は優に超え、50に迫ろうかという数にまで膨らんだ。

中には中華圏の方も居て、こちらも一眼レフと三脚、そして脚立という本格的な装備で準備を進めていた。

 

大スターの慶事の会見かと錯覚してしまうかのうような三脚の群れ。

“只見線とSLの組み合わせ”というコンテンツの力を目の当たりにし、圧倒された。

 

16:00頃、左手(北側)の会津坂下方面から汽笛の音が聞こえてきた。

現場が騒がしくなる。

そして、16:06.「SL只見線新緑号」会津若松行きが姿を現した。

シャッター音が絶え間なく鳴り響く。人の声は聞こえない異様な時間が過ぎた。

 

私も集中して、ズームを最大にして“獲物”を追った。

七折峠を下り切った平地を走るため、蒸気は確認できず物足りなさを感じたが、水田を駆け抜ける様子は収められた。

 

列車は左にカーブを切り、停車駅である会津高田駅に吸い込まれていった。

駅のホームにも多くの人影が見えた。地元の歓迎ぶりが想像できる。

 

この一枚を撮り終え、急ぎ帰る準備をする。

駐車場は一部車両が進路を塞がれるなど“定員オーバー”の状況だった。

 

16:10、自転車に跨り、公園を後にする。

会津若松駅発17:10の列車に乗るため、気を引き締める。

 

下りは、新緑の間を風を感じながら駆け下りる最高の気分を味わいながら進んだ。

 

 

予想通り10分程で坂を下り切り県道365号線に入り、さらに少し進み町道に右折。

ここから正面に見える会津若松市街地に向けて、ほぼ直進に進む。

 

宮川を渡り、出発から約20分で会津若松市内に入る。ほぼ予定通り。

磐梯山も近づく。

 

 

出発してから約50分で、駅直近の町北踏切を渡る。

その際、駅を見ると「SL新緑号」を牽引した「C11 325」号が黒煙を噴きながら休んでいた。

 

 

無事に会津若松駅に到着。

約15kmを事故無く、快調に駆け抜ける事ができた。

愛車は折りみ自転車ではあるが、剛性もあり、私の中で日に日に信頼度が高まってゆく。

 

さっそく輪行バッグに収納し、ホームに急ぐ。

先頭に“走るCafe”「フルーティア」号を連結し、あかべぇ列車は1番線に待機していた。

 

乗車すると正面に先ほどの「C11 325」号が西陽を浴びる姿が見えた。

明日も同じダイヤで運行される。

今日はお疲れさまでした。

 

 

17:10、郡山行きの快速列車は定刻に出発。

 

磐梯駅で芝桜越しに磐梯山の威容に見入る。

 

猪苗代駅手前では、西陽を浴びた磐梯山の全容を見て、今日の旅で見続けたこの山の存在の大きさを考えた。

 

 

今回も天候に恵まれて、良い旅となった。

会津美里町には“会津”の由来の舞台ともいわれる陸奥国二宮・伊佐須美神社や本郷焼の窯元群、一部が国指定史跡になっている向羽黒山城址など見どころもある。

町全体が会津盆地内の平坦な場所に位置しているため、自転車で快適に巡れる。

本郷焼の窯元群は会津本郷駅から歩いても行ける。

JR只見線を利用して観光客を誘い、訪れた方々の満足が得られるコンテンツは豊富にあるという印象を今回の旅で持った。

使い勝手がよく快適で、女性や若者を意識したファッショナブルなレンタル自転車がインフラとして整備されれば、仕掛け次第で集客・交流人口の増加は大いに期待できるだろう。

 

但し、一点気になったことがあった。

「蓋沼森林公園」には50名ほどのお客様、“撮り鉄”諸氏が集まり大盛況だったが、売店は無く、自動販売機が一台あるだけだった。

只見線の復旧費や、復旧後の赤字補てんに会津美里町も搬出する。行政はそれを回収する貪欲さが必要だと思う。

だから、今回のような人出を看過するのはもったない。

売店を出し、地元産品をPRがてら販売したり、撮影場所の“一等席”を有料とするなど、只見線に関する“投資”の実を得なければならないと私は感じた。

これは、只見線復旧費用を搬出する他の沿線16市町村にも言える。

 

JR只見線の復旧が、地元に集客と交流人口の増加、それに比例した経済効果や雇用を生むよう、税金を納める私たち福島県民は考えなければならない、と私は思う。

 

 

...“只見線の春”。

今年は3度現地に足を運んだ。来春は復旧予定区間を中心に、沿線に桜を楽しめないか探ってみたいと思う。(了)

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・

*参考:福島県 「只見線の復旧・復興に関する取組みについて」/「JR只見線 福島県情報ポータルサイト

*参考:政府 インターネットテレビ「見どころたくさん 福島に来てくなんしょ!」(2017年1月26日)


【只見線への寄付案内】 

福島県はJR只見線全線復旧後の「上下分離」経営での維持費や集客・地域振興策の実施費用として寄付を募集中(クレジット可)。

・福島県ホームページ:只見線復旧復興基金寄附金・只見線応援団加入申し込みの方法

 

寄付金の使途は以下の通り。

・お寄せいただいた寄附金は、福島県、会津17市町村や新潟県などで 組織する「福島県JR只見線復興推進会議」で協議の上、只見線の復 旧や利活用促進のため使われます。(「只見線復旧復興基金寄附金募集」チラシより)

・ 寄附金は、只見線を活用した体験型ツアーや周遊ルートの整備、 只見線関連コンテンツの充実化等に活用させていただきます。 日本一と言われるロケーションだけに頼らない観光振興を推進し、 新たな観光収入の増加を図ります。 (「JR只見線企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の御案内」より)

 

 

よろしくお願い申し上げます。

次はいつ乗る? 只見線

東日本大震災が発生した2011年の「平成23年7月新潟福島豪雨」被害で一部不通となっているJR只見線は、2017年6月19日に福島県とJR間で「復旧基本合意書」が交わされ、2018年6月15日の復旧工事起工式を経て、2021年度中の全線再開通に向けて工事が本格化しました。ブログでは車窓の風景や沿線の見どころを伝える「乗車記」等を掲載します。

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