福島県、観光、JR只見線

震災から6年、著者が暮らす福島県郡山市では1,676人(2017年4月1日現在)の子ども(18歳未満)が市外に避難していますが、33万人が暮らし、日々の生活を送っています。

子どもたちは外で遊び、校庭で運動会をし、猪苗代湖で泳いでいます。

著者の周りには、ごく“普通”の生活が繰り広げられています。


しかし、福島県に対する風評は減ってきてはいるものの、下げ止まって固定化しつつあります。


情報発信を継続しているのにも関わらず、です。

県は米の全袋検査など県産農作物の放射能測定を継続し、基準値越えの農作物が出荷されないように規制をしています。

水産業でも、試験操業で水揚げされた魚介類の放射能測定を行い、一部の魚種を除き、ほとんどで基準値を下回っているという結果となっています。

県内各地の放射線量は自然減衰もあり旧避難区域の一部の除き下降しています。数値は原子力規制庁がモニタリングポストで測定し、ネットでリアルタイム公表しています。


福島県は、これらの情報を発信するのみならず、首都圏などの人口集積地で県産品のイベントを行うなど風評の克服に努めています。

しかし、これらの努力に関わらず、『福島県産の農作物は避けたい』『福島県には行きたくない』など“福島”を一括りする声が未だ残り、放射能・放射線量の測定値を考慮しない風評が一部で固定化されつつあります。


2011年3月12日に福島第一原子力発電所1号機が“水蒸気”爆発した際のテレビ映像や新聞紙面の印象は強く、その後に起こった2号機メルトダウン、3号機メルトダウン、4号機水蒸気爆発という4基の複合原子力災害の強烈なインパクトは、国民の一部に強固な“福島”拒絶の思考を頑なにして、消し去る事のできないトラウマとなりつつあります。


一部の国民とはいえ事故当時の記憶が更新されずに、風評が残り続ける一因ともなっています。


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風評の克服は、原発事故を経験した福島県にとって非常に大事な事です。

風評が、人口減少・経済縮小の日本にあって、福島県をより深刻な状況に追い込む可能性があるからです。


風評を克服するには何が必要か?

筆者は、福島県を訪れる人を増やす、旅行者や交流人口の増加が必要だと考えます。

『百聞は一見に如かず』

福島県に訪れ、県民の生活を見て触れれば、県からマスコミなどを経由して発信されている情報の正しさが実感できるばかりでなく、訪れた方の日々の選択肢に“福島”がまた加わると筆者は考えます。


そのため、一人でも多くの方が福島県を訪れる“契機”となる県内の観光資源や福島県に人々を導く“道”は、増やす事はあっても減らしてはなりません。


そこで、JR只見線です。

JR只見線は重要な観光資源であり、福島県へ通じる道であり“扉”です。

新潟県中越地方に開かれ、東京圏との周遊圏を構築し交流人口を増やし得る貴重な交通インフラです。


先日6月19日に福島県とJR東日本が「JR只見線復旧」の基本合意書を締結し、全線の“つながる”ことはほぼ確定しました。復旧工事を経て、列車が走るのは3~4年先になります。



しかし、まだ安心はできません。

福島県を始め、県内の沿線8市町と周辺9市町村(会津地方17市町村)は復旧費用を負担し、復旧後はJR東日本から土地を含めた鉄道施設をっ譲渡され管理してゆくことになります。そこで発生する維持管理費も、県と会津地方17市町村が負担し続ける事になります。

国の支援やJR東日本の方針転換がなければ、只見線が存続する限り県民の税金が使われ続ける事を意味します。会津地方17市町村の住民に至っては、県民税と市町村税の“二重負担”となります。

ここで、只見線の乗車数・率、運賃収入が低迷し続ければ、財政支出に不満が出て費用負担している自治体間の足並みが乱れ、只見線の維持スキームが破たんし、廃止議論に繋がりかねません。

 

只見線が存続し、多くの人々を運び続けるためには、全線復旧までの3~4年が重要です。


運休以前より只見線の利用者、特に列車から降り沿線で観光や買い物をする訪問者を増やさなければなりません。

そのための取り組み、仕掛け、施策を、政治行政関係者と共に納税者である福島県民も考え、実践してゆかなければならないと思います。


今後の動向に注視するとともに、JR只見線復旧後に多くの人々が列車に乗車し、沿線を巡り滞在し、また訪れたいと思えるように私も県民の一人として行動してゆきます。



2017年7月9日

福島県郡山市

根本 潤


福島県(生活交通課)が行っている「只見線復旧復興基金」への寄付、「只見線応援団」への申し込み方法について、下記にリンクを貼ります。

JR只見線に乗れない方、JR只見線の「撮り鉄」の方々、是非、こちらもお願いします。


福島県生活交通課:「只見線復旧復興基金寄附金・只見線応援団加入申し込み