三島町「カタクリ群生地」 2017年 春

JR只見線・会津西方駅から直線距離で北北西1.2kmの位置にある大林ふるさとの山(三島町)の「カタクリ群生地」。柳津町の桜を見に行く前に立ち寄った。

『柳津の桜のついでに...』という軽い気持ちだったが、初めて見るカタクリの花の姿に感動し、予定より滞在時間が長くなった。

写真も多く撮り、“柳津の桜”とは別稿に掲載することにした。

 

「カタクリ群生地」を知ったのは「第4回 福島県三島町 大林故郷の山 カタクリさくらまつり」を知らせる三島町観光協会のホームページ

「カタクリ」は早春に地上部に咲くユリ科の植物。

国立科学博物館 筑波実験植物園のホームページには次のような解説が掲載されている。

(引用)高さ15cmほどの茎の先に、径4~5cmもある大輪の紅紫色の花を開く。葉は淡緑色で表面には紫色の斑紋があるが生育地によっては全くないものもある。種子にはエライオソームと呼ばれるアリが好む物質が付いており、アリによって運ばれ散布される。春を告げるスプリング・エフェラメルの1つ。

名の通り片栗粉の材料とされていたが、現在はジャガイモやトウモロコシに取って代わられている。

 *出処:国立科学博物館 筑波植物園 URL:http://www.tbg.kahaku.go.jp/recommend/illustrated/index.php

 

 

 


「カタクリ群生地」の最寄りの会津西方駅。

下車し、輪行バッグから折り畳み自転車を取り出し組み立てる。

駅周辺で桜を撮影した後、駅を出ようとすると、会津若松行きの上り列車が入線してきた。 

自転車に跨り、只見線と並走する国道400号線を進む。

急カーブを抜け、長く急な坂を登る。

変速ギア付の自転車でなければ登坂は難しい。

右手、崖の上に伸びる歩行者用の道は、「三島町生活工芸館」「三島町交流センター山びこ」への近道だ。積雪時は除雪されていない。

 

カーブを曲がり、坂を登り続けると左手に地元の建設会社が運営している「森のしごと舎」が見えた。 

トチの板材を中心に展示販売しているが、総桐タンスや木製以外のストラップやブローチなども取り扱っているという。

 *参考:森のしごと舎 URL:http://www.aizukiri.or.jp/shigotosya/morinoshigotosya.htm

 

自転車を進めると直進するバイパスとの分岐点に着く。

左側の本道に入り進む。

このバイパスは1990(平成2)年に事業を開始した総延長5.8kmの一部。

この先、西会津町との境界にある“難所”である杉峠をトンネルで抜ける予定だったが、“軟弱な地質のため施工が困難であり費用が増大してしまうため(福島県)”にトンネル掘削を断念し現道の改良することで、今年度に事業が終わるとなっている。しかし、会津総合開発協議会などからは大型車交互通行困難箇所の解消のため拡幅の要望がなされている。

 

ここから坂を登りきった場所に“学校”が現れた。

「三島町生涯学習センター 森の校舎カタクリ」だ。ここまで自転車で10分。歩いても来られない位置ではない。 

この施設は旧西方小学校の校舎をそのまま利用した宿泊施設。素泊まりで大人¥3,300(税別)から利用できるという。グラウンドや体育館、プールもあることから学生・生徒の合宿での利用も促している。

 *参考:森の校舎カタクリ URL:http://katakuriokuaizu.wixsite.com/index/plan

 *参考:合宿の里ふくしま URL:http://www.tif.ne.jp/gasyuku/shisetu_syukuhaku.php?s=335

 

自転車を進める。

国道400号線が直角に曲がるT字路を左折し町道を走る。

直線道路に出ると田んぼの奥、山の上部に「カタクリ群生地」の目印になる管理棟(大林ふるさとの山)があった。 

自転車で登り進め、坂の途上で東を見ると、遠くに見慣れた山影が見えた。

磐梯山の上部。 

ここから磐梯山まで約40km。ここからも見えるのか、と感動する。

 

急カーブを左に折れ、息を切らせながら登坂する。

すると右前方に鮮やかな緑の“群れ”があった。ミズバショウだ。

本場・尾瀬を抱える福島県民にはその名は馴染みがあるが、私は今まで間近で見たことがなかった。

淡い緑と純白の清廉さにしばし見惚れる。 

ミズバショウに力をもらい、再びペダルを漕ぐ。

これから見るカタクリどうなのだろうかと考えながら二つ目の大カーブを、今度は右に折れる。 

カーブを抜けしばらくすると視界が開け、五分咲きのオオヤマザクラが目に飛び込んできた。

駐車場への誘導を行っていた係員と会話を交わし、しばらく進むとオオヤマザクラの根元に薄紫の植物が見えた。 

カタクリの花。

枯葉枯れ枝の間から顔を出す小さな花群に、正直驚いた。 

これがさらに“群がる”と一体どんな光景になるのか、と思う。

 

自転車で登り進むと、三連のテントがあった。

「カタクリさくらまつり」で飲食を提供するためのものだ。9時開業のため閉ざされてた。 

「大林ふるさとの山」公園の案内図の前に立つ。

会津西方駅を出てから、寄り道をしながら約30分で到着。 距離は3.6km、徒歩だと50分程度かかるが、「森の校舎カタクリ」を拠点とすれば2km弱で、20分程で歩ける。

自転車は斜度がありキツイが、帰りは坂を下る一方で快適。駅に変速機付きのクロスバイク型のレンタルサイクルがあれば、私は利用したいと思う。

但し、この場合、他駅(会津宮下、会津柳津など)への乗捨てが可能であることが前提になる。

 

カタクリの群生地はこの案内図の背後にあるようだ。斜面の上に目を遣ると一面に薄紫のカタクリの花が咲く場所があった。

初めて見る光景。美しい。 

右の方に目を遣ると、真新しい案内標が建っていた。 

斜面にもカタクリの花が咲いていた。

道路端にある側溝を覆うグレーチングの間からもカタクリの花が顔を出していた。

生命力がある。 

 

この群生地のオオヤマザクラは咲き始めの様相。

このままの天候が続けば、今月末に満開になるだろうといわれている。

町道の直近にもカタクリの群生が見られた。 

カタクリの群生。

青空とカタクリだけが色彩を持つ。

枯草の間から顔を出すカタクリ。

大地の生命力を感じる。 

残雪とカタクリ。 

 

カタクリの花は、雨や曇りの日、気温の低い日は花が開かないという。

残雪の周辺や融雪間もない濡れた場所に、カタクリは見られなかった。

 

 

群生地では両脇に張られた細いロープの間を歩く。

ただ、歩行帯にもカタクリが咲いているので注意が必要だ。

 

再び、カタクリの花を仰ぎ見る。

やはり、花は青空に映える。

見回すと、方々に絵になる場所がある。

“三姉妹”と“群衆”。埋め尽くされた枯葉が気にならないような華やかな光景だ。

 

花開いたフキノトウとカタクリの花。

手前には蕾のカタクリも見られた。

陽の光を受けるとカタクリの花弁が輝いて見えた。

良い天候の日にカタクリ群生地を訪れる事ができて良かったと、心から思った。

 

斜面の群生地は上まで延び、ここも細いロープで区切られた“歩道”がある。

登るのは次回(来年以降)にしたい。

群生地を後にして、自転車で坂を下る。

来るときに見たオオヤマザクラは、この天候で開いた花が多いように見受けられた。

ソメイヨシノとは違う色合いと咲き具合。

次はこのオオヤマザクラが満開の時に訪れ、カタクリの花との共演を見てみたいと思う。

 

 

自転車で快調に坂道を下り、大林ふるさとの山を後にする。

向かう先は会津柳津駅近くの「福満虚空蔵尊圓蔵寺」。 境内の裏、只見線の脇に枝垂れ桜が並んでいて、列車と一緒に写真を撮る予定。

列車の通過予定時刻は9:30頃。残り50分、移動距離は約13km。

 

西方地区の中心部を南北に縦断する国道400号線に入り先を急ぐ。

この先、突き当りのT字路を左折し国道400号線から県道343号飯谷大巻線に入り柳津を目指す予定だったが、間違って右折してしまう。

長い坂を下っている途中で気づくが、下りの快適さに負けてしまい町道を進み、今年の1月29日に訪れた歳時記橋を渡る。

自転車を停め、只見線の「第二只見川橋梁」を撮る。 

橋のたもとには宇都宮ナンバーの車があり、3人の“撮り鉄”らしき方がカメラを構え、第二橋梁を通過する列車を待っているようだった。

 

またしばらく町道を進み、途中廃道となった坂道を自転車を担ぎながら登る。

ここも前回(1月29日)に通った。

これでかなりの時間を省略でき、道の駅「尾瀬街道みしま宿」に到着。

さっそく「第一只見川橋梁ビューポイント」に行く。

歳時記橋を出てから約10分後に、「第一只見川橋梁」をカメラに収める。

この橋の色は紫だが、カタクリの花の色ではない。

三島町の町花にもなっている桐の花の色だという。私はまだ見たことが無い。

 

桐の花は5月に入ると見頃を迎えるという。是非見てみたい。

 

今回、カタクリやオオヤマザクラ、ミズバショウを見て、三島町は花を楽しめる町でもあるというこことが分かった。

 

...道を間違ったせいで、柳津駅手前にある目的地「福満虚空蔵尊圓蔵寺」まで2kmプラスされた。

急ぎ「第一只見川橋梁ビューポイント」を後にして、自転車に跨る。

車がスピードを上げて通り過ぎる川井、駒啼瀬トンネルを抜け駒啼瀬峠を一気に駆け下り柳津を目指した。(了)

 

 


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*参考:福島県 「只見線の復旧・復興に関する取組みについて

【只見線への寄付案内】

福島県はJR只見線全線復旧後の「上下分離」経営での維持費や集客・地域振興策の実施費用として寄付を募集中(クレジット可)。

・福島県ホームページ:只見線復旧復興基金寄附金・只見線応援団加入申し込みの方法

 

寄付金の使途は以下の通り。

・お寄せいただいた寄附金は、福島県、会津17市町村や新潟県などで 組織する「福島県JR只見線復興推進会議」で協議の上、只見線の復 旧や利活用促進のため使われます。(「只見線復旧復興基金寄附金募集」チラシより)

・ 寄附金は、只見線を活用した体験型ツアーや周遊ルートの整備、 只見線関連コンテンツの充実化等に活用させていただきます。 日本一と言われるロケーションだけに頼らない観光振興を推進し、 新たな観光収入の増加を図ります。 (「JR只見線企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)の御案内」より)

 

 

よろしくお願い申し上げます。


次はいつ乗る? 只見線

東日本大震災が発生した2011年の「平成23年7月新潟福島豪雨」被害で一部不通となっているJR只見線は、2017年6月19日に福島県とJR間で「復旧基本合意書」が交わされ、2018年6月15日の復旧工事起工式を経て、2021年度中の全線再開通に向けて工事が本格化しました。ブログでは車窓の風景や沿線の見どころを伝える「乗車記」等を掲載します。

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