乗り初め(金山町「玉梨八町温泉」) 2024年 冬

2024年辰年、今年最初のJR只見線乗車は会津若松~会津川口間を往復。金山町では玉梨八町温泉で湯に浸かった。

*参考:

・福島県:只見線ポータルサイト

・福島県・東日本旅客鉄道株式会社 仙台支社:「只見線全線運転再開について」(PDF)(2022年5月18日)

・福島県:平成31年度 包括外部監査報告書(PDF)(令和2年3月) 「復興事業に係る事務の執行について」 p140 生活環境部 生活交通課 只見線利活用プロジェクト推進事業

 

 


 

 

今朝、磐越西線の始発列車に乗るために未明の郡山駅に向かった。

5時46分52秒、兵庫県の方角を向いて黙とう。29年前、阪神・淡路大震災で犠牲になられた方々を悼んだ。


駅舎に入り、改札を通り1番線に向かい、停車中の列車に乗り込んだ。

5:55、磐越西線・会津若松行きの始発列車が出発。

 

沼上トンネルを抜け、会津地方に入ると雪の量が増え、猪苗代を過ぎると雪原越しに頂上が雲に隠れた「磐梯山」(1,816.2m、会津百名山18座)が見えた。

 

 

 

 

7:11、列車が定刻に会津若松に到着。途中駅で乗り込んだ多くの高校生が降り、一時ホームと改札は混雑した。

 

改札が落ち着いた頃に、抜けて駅頭に出た。上空の雲は、朝陽を受けてうっすらと赤み掛かっていた。

駅舎に戻り、券売機で切符を購入してから、改札を通った。改札脇にある“ぽぽべぇ広場”には“ガンバレ 受験生!”と記されたボードが立てかけられ、受験生が書いたと思われる絵馬を模した用紙が貼られていた。

 

改札を通り、跨線橋を渡り4-5番線ホームに行くと、まもなく只見線の上り1番列車(会津川口発)が3両編成で入線した。

列車が停車すると、磐越西線と同等と思えるような多くの高校生が、次から次に降りた。只見線を支えている通学客だが、少子化などの影響でいつまで頼られるかと考えると、只見線の観光路線化に悠長ではいられないと改めて思った。

 

客が降りきり、乗車待ちをしていた高校生の後に続いて私も列車に乗り込んだ。そして、席を確保してから跨線橋に上って、列車を見下ろした。北には、山形県境に連なる「飯森山」(1,595.4m、同28座)と「栂峰」(1,541.3m、同32座)が陽を受け白く浮かび上がっていた。

再び列車に戻ると、ホームでは雪かきする作業員の姿が見られた。今年は暖冬で雪が少ないだろうと言われているが、豪雪地帯を走る只見線の駅舎や線路など鉄道設備の除雪コストは大きな負担になっているのだろう、と改めて思った。

 

 

7:41、只見線・会津川口行きの下り列車が会津若松を出発。列車は、七日町西若松の市街地の駅で多くの高校生を乗せ、車内は混雑した。

大川(阿賀川)を渡ると、上流側に全体がうっすらと冠雪した「大戸岳」(1,415.9m、同36座)の山塊が見えた。

 

会津本郷出発直後に、会津若松市から会津美里町に入ると、右に「明神ヶ岳」(1,074m)、同61座が良く見え、左奥の「博士山」(1,481.9m、同33座)は山頂付近が雲に覆われていた。

 

8:01、会津高田に停車すると、県立会津西陵高校の生徒が降り、駅舎から列をなして歩いていた。

 

乗客を半数ほどに減らした列車は、“高田 大カーブ”を抜け、進路を西から北に変え田園の間を駆けた。根岸新鶴を経て会津坂下町に入り若宮を出ると、広大な田園が一面雪原になっていた。

 

8:19、会津坂下に停車。先に到着していた上り2番列車とすれ違いを行った。

列車からは、車内の客の9割以上を占めていた県立会津農林高校の生徒が降りた。

すると、私が乗っていた先頭車両は他2名の客だけが残り...

なんと、後部車両は乗客ゼロになった。平日の会津川口止まり列車の現状ではあるが、この先車窓から見える雪景色の“観光力”を考えると、あまりにも惜しいと思った。

  

8:25、会津坂下発。走り出してまもなく、「飯豊山」(2,105.2m、同19座)を主峰とする「飯豊連峰」が近付いて見えた。*参考:公益財団法人 福島県観光物産交流協会「ふくしま30座」飯豊山

その後、列車は右に大きく曲がり、七折峠に向かった。

登坂中、塔寺手前で木々の間から会津平野を眺めた。

 

七折峠の登坂を終え、第一花笠-第二花笠-元屋敷-大沢と続く四連トンネルを抜けると、“坂本の眺め”から「飯豊連峰」が見えた。

 

会津坂本に停車すると、貨車駅舎に描かれた「キハちゃん」が満面の笑みで迎えてくれた。キハちゃん新年おめでとう! 2024年もよろしく! *参考:会津坂下町「只見線応援キャラクター誕生!!」(2015年3月13日) https://www.town.aizubange.fukushima.jp/soshiki/2/3337.html

 

会津坂本出発直後に柳津町に入った列車は、駅舎改装工事中の会津柳津に停車。バリケードの土台は赤べこだった。

 

会津柳津を出て郷戸手前で、Myビューポイントを通過。雪原の向こうに「飯谷山」(783m、同86座)が見えた。

 

 

滝谷を出発し、直後に“只見川八橋”の前座を務める滝谷川橋梁を渡り三島町に入った。渓谷の木々は綿帽子を被り、良い眺めだった。*以下、各橋梁のリンク先は土木学会附属土木図書館デジタルアーカイブス歴史的鋼橋検索

  

会津桧原を出て桧の原トンネルを抜けると、「第一只見川橋梁」を渡った。上流側の駒啼瀬の渓谷は両岸とも木々が綿帽子を被り、只見川の水鏡が冴え空を映し込み、美しい絵を創っていた。*只見川は、東北電力㈱柳津発電所・ダムのダム湖

下流側は、広がりある景色で見ごたえがあった。

 

名入トンネルと経て。会津西方を出発してまもなく「第二只見川橋梁」を渡った。上流側の先には、「三坂山」(831.9m、同82座)の山頂付近が見えた。*只見川は柳津ダム湖

下流側は逆光でだったが、スゥーっと延びた只見川両岸の綿帽子を被った木々が際立って見えた。

 

 

列車は減速し、“アーチ3兄(橋)弟”の次男・宮下橋(県道)を見下ろしながら、大谷川橋梁を渡った。

*参考:三島町観光協会(観光交流館からんころん)「『みやしたアーチ3橋(兄)弟』のビューポイント」(2013年6月16日) URL: https://blog.goo.ne.jp/mishimakankou/e/e93620f5690ee4e3adf6d1124b2f46e5

 

9:07、会津宮下に停車。客2人が降りで、2両編成に客は私1人になった。ホームの先端からは陽光を浴びた「三坂山」が見え、日陰となっている駅とのコントラストが良い風景だと感じた。

まもなく、すれ違いを行う小出始発の1番列車が、キハE120形が単行(1両編成)でやってきた。車内の様子を見ると客は数人だった。

 

9:12、会津宮下発。列車が東北電力㈱宮下発電所の背後を抜けると、宮下ダムが近付いてきた。『ゲートを全門開放して、放流⁉』と見紛うたが、実際に開けているゲートは1門だった。放水路に積雪があり、水しぶきに見えてしまった。

 

宮下ダム湖となった只見川の右岸を駆けた列車は、「第三只見川橋梁」を渡った。上流側は、水鏡に河岸と空が映り込み、良い眺めだった。

下流側の川面は、青空が映らない分、暗い印象だった。陽の傾き、青空の面積、気温と湿度などの気象条件で、橋上での車窓から風景は左右違ってくる只見線の魅力を改めて思った。

 

 

渡河後、列車は滝原トンネルを抜け、早戸トンネルに入る前の明かり区間を通過。ここは、積雪があると綿帽子が間近に見られるポイントだが、今日は気温が高まり融けてしまったのか、枝に載った雪は“帽子”ほどの高さは無かった。

 

早戸トンネルを抜けた直後に早戸に停車。客が1人乗り込み、“占有”状態は一駅で終了した。

振り返って、壁のようなを活火山・沼沢を眺めた。*参考:産業技術総合研究所 地質調査総合センター「沼沢火山

 

早戸を出るとまもなく金山町に入り、細越拱橋(8連コンクリートアーチ橋)を渡った。

下大牧集落の背後を通ると、大屋根の集落越しに、尾根筋にマツが並んだ山並みが見えた。

 

 

会津水沼を出て「第四只見川橋梁」を渡った。只見川は東北電力㈱上田発電所・ダムの直下ということもあり、水流が現れていた。

渡河直後に、国道252号線の第四沼田跨線橋を潜り抜けると、国道の線形改良工事で電柱・電線地中化された区間と並行した。見晴らしが良く、電柱・電線地中化を効果を感じた。

この先、上田ダム湖の湖面に対岸の山並みが映り込む場所を通過したが、ここは同工事で電柱・電線地中化されなかった。今日のように、天気が良く車窓から景色が良く見える日は、余計に『残念だ!』と思ってしまった。

 

 

一旦、只見川と離れ、“中川田園”と呼ばれるようになったポイントを通過。湾曲した旧道に沿ってならぶ集落の東側に、国道252号線が南北に貫いている広大な田園。今日は、無垢の雪原が陽光を浴びて美しかった。

 

会津中川に停車。ホームの東側は、「なかがわ雪月列火」の会場になっている。

来月17日(土)までに田の段差を覆うほどの雪が降り、無事に開催されるのか心配になった。*下図出処:只見線つなぎ隊facebook URL: https://www.facebook.com/tadamiline

 

 

会津中川を出て、大志集落の背後を駆け国道252号の跨線橋をくぐると、前方に林道の上井草橋が見えてきた。

ここで振り返って、只見川に突き出た大志集落を眺めた。周囲の景色は川面とともに波打っていたが、澄んだ空気でくっきりと見える木々や山並みとの対比で、なかなか良かった。 中央には川底の堆積土砂の浚渫船が浮かんでいて、只見川の今の風景でもあった。 *只見川は上田ダム湖

 

 

 

9:40、終点の会津川口に到着。

今回、切符は、平日ということで郡山~会津若松間を「Wきっぷ」にして、只見線内の乗車券(会津若松~会津川口間)を別途購入した。

只見線は“観光鉄道「山の只見線」”として福島県が中心となって「利活用計画」を進め、乗客増と沿線の経済効果を狙っているが、県民に“Myレール”として浸透・定着させるためには“只見線2Dayパス”なるものが必要だと個人的に思っている。“連続2日間利用可能、曜日限定無し、往復、途中下車可能、料金3,000円”という設定で発売し利用を促進することで、福島県の人口集積帯である中通りの住民を中心に気軽に只見線の旅ができる文化創出につながり、只見線の収支の土台になるはずだと改めて思った。 



 

駅舎に入り構内の売店で買い物をしてから、駅頭に出て国道252号線をはさんだ向かい側にある金山町観光物産協会に行き、レンタカーの手続きをした。車両は、協会の建物の前に停まっていたトヨタのパッソだった。このレンタカーは破格で、2時間でなんと1,000円。*参考:福島県大沼郡金山町 金山町観光情報「金山町で移動する

金山町のレンタカー事業は、2022年10月1日の只見線運休区間(会津川口~只見)の復旧による全線運転再開にあわせて開始された。私は、今回初めて利用した。*下掲記事:福島民報 2022年10月3日付け紙面

 

協会内で手続を行い、自動車貸渡契約書を頂いた。パソコンの設定が変更できなかったようで借受人の名前が違ったままだったが、時間がなかったのでそのまま受領した。事故などの問題をおこすと厄介なので、一層の安全運転を心がけるようにした。

レンタカーを走らせ、10分とかからず「玉梨八町温泉」に到着。ここは金山町川口地区と昭和村大芦地区を結ぶ路線バスが一日3往復走っている。今回私が乗った列車とは連絡していないが、ほぼ只見線の列車の発車時刻に合わせたダイヤになっている。*参考:会津乗合自動車㈱ 路線バス 時刻表PDF「大芦⇔昭和温泉⇔玉梨⇔川口

車を路肩の広いスペースに停めて、弁天橋を渡り、野尻川の下流側を眺めた。野尻川では護床工事が進められていて、重機が動きトラックが出入りしていた。

「恵比寿屋旅館」の浴場の前の河岸は、温泉の析出物が堆積していた。

 

弁天橋の袂の先で少し下ると、公衆トイレがあった。

公衆トイレの脇には「玉梨温泉共同浴場」の看板が立っていて、坂を少し下り、野尻川沿いを進んだ。

 

玉梨温泉共同浴場」に到着。国道400号線沿いから見えることもあり、何度も外観を目にしていたが、利用するのは初めてだ。

 

入口の引き戸を開けると、鉄味を帯びた温泉の香りが漂った。中の造りは簡素で、狭い玄関の両脇がアコーディオンカーテンの付く脱衣所で、左が男湯、右が女湯と案内されていた。

利用料金は200円。私は硬貨を収受箱に落として、脱衣所に向かった。

脱衣所は2畳ほどの広さで、綺麗に掃除されているようだった。先客はおらず、結局最後まで私一人が占有することになった。

金山町といえば「かぼまる」。温泉桶を“着た”、特産の赤カボチャをモチーフにした熊のキャラクターだが、その「かぼまる」が共同浴場の適正利用を訴える案内が壁に貼ってあった。

 

脱衣を終え、引き戸を開け浴室に入った。湯気と湯の香りを、一気に全身に浴びた。

源泉掛け流しだが、もったいないぐらいの新鮮な温泉が湯管から注ぎ続けられていた。

浴槽は深く、腰を下ろして浸かる事はできなかったが、湯面近くに顔を近づけると香りと微かなミストを味わえた。湯温が少し高めで、長湯はできなかったが、良い湯だった。

 

浴室の顔を高さにある窓を開けると、目の前は一面雪に覆われていた。山の斜面から下りてくる冷気が、気持ち良かった。

【玉梨温泉共同浴場】
・源泉名:玉梨温泉 町営源泉
・泉質:ナトリウムー炭酸水素塩・塩化物・硫黄塩泉(低張性中性高温泉)
・泉温:45.9℃
・湧出量:219Ⅼ/min(動力揚湯)
・知覚的試験:無色透明、無臭、微塩味
・水素イオン濃度:ph 6.4


「玉梨温泉共同浴場」を後にして、対岸にある八町温泉に移動した。

弁天橋を渡り、国道400号線を会津川口駅方面に向かって少し進むと、案内標杭が立っていた。

野尻川右岸の斜面を、川沿いに立つ建物に向かって下った。

坂の途中には、布袋尊と小さな御堂があった。「玉梨八町温泉」では「常楽七福神」と名付けられた七福神が各温泉場(旅館or施設)に立っている。

この布袋尊を見て、「玉梨温泉共同浴場」付近に立つ、寿老人・福禄寿・弁財天の像を見逃してしまった、と悔いた。

 

坂を下り切り、「八町温泉 亀ノ湯」に到着。二度目の訪問だった。

入口の前には、屋根のついた休憩・喫煙処があり、

野尻川に目を向けると、玉梨温泉から湯を引いている湯管が見えた。湯管には、護床工事で重機が動いているため、接触注意を促すピンクリボンが取り付けられていた。

 

短い階段を下ると、入口の引き戸には、前回は見られなかった協力金(入浴料)300円以上の寄付を呼び掛ける案内が掲げられていた。

引き戸を開けると、大きな浴槽が目の前に現れ、“亀の湯”名にちなんだ亀の置物が湯管の上に載っていた。

浴槽は一つで混浴のため、更衣室が左右に置かれ、右が男性用で、左が女性用になっている。

 

協力金を青い金属製の箱に入れて、入浴した。客は誰もおらず、最後まで一人で湯を満喫した。

「八町温泉 亀の湯」も源泉掛け流しだが、八町温泉(右)に玉梨温泉(左)をブレンドしている。八町温泉は湯量が減っているということで、対岸から湯引きしている玉梨温泉の湯管から出る温泉の方が勢いが良かった。

浴槽が広いこともあり湯は適温になり、天井が高く広々しているので、ゆったりと入る事ができた。

壁には、5,000円以上の寄付をされた方々の名が記された札がびっしりと並んでいた。この札は、原則5年で取り外されるようだった。

また、湯に関して“冬場は炭酸泉のみでは微温いので箱湯をいれてあります”ということで、八町温泉特有の炭酸泡が今回はあまり体に付かなかった。

【八町共同浴場 亀ノ湯】
・源泉名:亀ノ湯
・泉質:含二酸化炭素-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉
・泉温:41.8℃
・湧出量:68Ⅼ/min(動力揚湯)
・知覚的試験:無色透明、無臭、弱塩味
・水素イオン濃度:ph 6.1

 

「玉梨温泉」と「八町温泉」、二つの湯を満喫し、レンタカーに戻った。小腹が空いたので、車内では会津川口駅の構内売店で買った柳津町「赤べこ堂」の「杵つき玄米団子」を食べた。

この「杵つき玄米団子」は、柔らかさもさることながら食感が良く、機会があれば購入するようにしている。今回は、初めてずんだ味を選んだが、旨かった。

 

レンタカーの返却まで時間があったので、沼沢湖経由で会津川口駅に戻る事にした。

国道400号線を引き返し、小栗山地区で県道237号(小栗山宮下)線に入り、ヘアピンカーブが続く坂を上った。途中、西に新潟県境に延びる「貉ヶ森山」(1,315.1m、同46座)の山塊が見えた。登った事がある山だが、ここまで堂々とした山容を見るのは初めてで、『さすが一等三角点峰!』と感嘆し見惚れてしまった。*参考:拙著「金山町「貉ヶ森山」登山 2021年 秋」(2021年10月23日)

 

さらに坂を上り「フェアリーランドかねやまスキー場」に立ち寄り、ゲレンデを見てみた。雪不足のために全面滑走が不可能な状態が続いていたためか、客の姿が見えなかった。ただ、目の前のゲレンデは、先日の雪で真っ白になっていたので、営業ができるのでは、と思った。

 

「フェアリーランドかねやまスキー場」を出ると、まもなく上り坂が終わり、下りになった。久しぶりの雪道運転で緊張しながら下ると、その先に延びた日陰の圧雪道もゆっくりと進んだ。

スギ木立を抜けると、「フェアリーランドかねやまスキー場」東斜面の廃ゲレンデの前を通った。昨年11月に、自転車を担ぎながら登った苦い記憶がよみがえった。

 

 

「八町温泉 亀の湯」から20分ほどで、沼沢湖に無事に到着。レンタカーを下りて、湖水浴場に行くと、内輪山の一つ「惣山」(816.3m、同81座)が綺麗に見えた。

 

湖水浴場を背に50mほどの場所には、揚水式水力発電所となる東北電力㈱第二沼沢発電所取水口ゲート室があるが、除雪されておらず人の出入りはなさそうだった。沼沢湖内にある取水ゲートの操作は、遠隔で行われているのだろうかと思った。

 

 

レンタカーの返却時刻が迫ってきたので、沼沢湖を後にして会津川口駅前に戻ることにした。

沼沢湖の東辺を通り、福沢集落から大栗山地区を経て、水沼集落を抜けて国道252号線に入り、西に進んだ。

そして、国道沿いのガソリンスタンドで満タンに給油(4Ⅼ)した後、無事に金山町観光物産協会に到着し、時間内にレンタカーを返却した。

 

私は輪行もしくはレンタルサイクルを利用していたので、レンタカーは今回が初めてだった。現在は、6時間まで2,000円、12時間まで2,500円という設定もあるので、今後も自転車に乗ることができない路面が雪で覆われる冬場に利用したいと思った。

 

 

レンタカー返却後に、近くにある加藤商店で昼食を調達し、会津川口駅に入った。

ホームには、今朝私が乗ってきたキハE120系+キハ110タラコカラーが、ディーゼルエンジンの重低音を響かせ停車していた。

12:29、会津若松行きの列車が、会津川口を出発した。乗客は、私が乗った後部車両(キハE120系)に他3人、先頭車両(キハ110)には誰も居なかった。

 

昼食を軽く済ませ、日本酒を呑む事にした。今回選んだ会津の地酒は、2024年辰年にちなみ、辰泉酒造(会津若松市)の「しぼりたて純米酒 うすにごり」を選んだ。

開封するときに、少し発酵時に出るガスが抜ける音がして、新鮮さに期待が持てた。

お猪口に注ぐと爽やかな香りが立ち、呑むと酸味は微かで、純米酒ならではのさっぱり感とのど越しの良さが味わえた。旨い酒で、今年最初に呑む会津の酒として、大当たりだった。

 

この後、気温上昇で綿帽子などが融けて往路から変化した景色を車窓から眺めて過ごした。そして、終点・会津若松手前の七日町で降りて、鶴ヶ城と東山温泉に立ち寄った。

 

 

(了)

 

 

・  ・  ・  ・  ・

*参考:

・NHK:新日本風土記「動画で見るニッポンみちしる~JR只見線」 *2008年放送

・産経新聞:「【美しきにっぽん】幾山河 川霧を越えてゆく JR只見線」(2019年7月3日)

・福島県 :只見線管理事務所(会津若松駅構内)

・拙著:「次はいつ乗る?只見線」カテゴリ -只見線の冬- / 


【只見線への寄付案内】

福島県はJR只見線全線復旧後の「上下分離」経営での維持費や集客・地域振興策の実施費用として寄付を募集中(クレジット可)。

 ①福島県ホームページ:只見線復旧復興基金寄附金・只見線応援団加入申し込みの方法 *現在は只見線ポータルサイト「只見線応援団」URL:https://tadami-line.jp/support/


②福島県:企業版ふるさと納税

URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16005g/kigyou-furusato-zei.html

[寄付金の使途]

(引用)寄附金は、只見線を活用した体験型ツアーや周遊ルートの整備、只見線関連コンテンツの充実化等に活用させていただきます。 沿線地域における日本一の秘境路線と言われる観光資源を活用し、更なる利用者の拡大と認知度向上を図ります。


以上、宜しくお願い申し上げます。


次はいつ乗る? 只見線

東日本大震災が発生した2011年の「平成23年7月新潟福島豪雨」被害で一部不通となっていたJR只見線は、会津川口~只見間を上下分離(官有民営)とし、2022年10月1日(土)に、約11年2か月振りに復旧(全線運転再開)しました。 このブログでは、“観光鉄道「山の只見線」”を目指す、只見線の車窓からの風景や沿線の見どころを中心に、乗車記や「会津百名山」山行記、利活事業に対する私見等を掲載します。

0コメント

  • 1000 / 1000