*参考:
・福島県:只見線ポータルサイト
・東日本旅客鉄道株式会社:「只見線について」(PDF)(2013年5月22日)
・NHK:新日本風土記「動画で見るニッポンみちしる~JR只見線」
・拙著:「次はいつ乗る?只見線」カテゴリ ー只見線の春ー
昨夜、会津若松市内に宿泊し、今朝は、鶴ヶ城(会津若松城)内を観て回った。城内の桜は5分程の散り具合で、足元は花びらで淡いピンクに彩られていた。
本丸に向かう堀に差し掛かると鮮やかな朱色の橋が目に飛び込んできた。先月30日に完成記念式典が行われた「廊下橋」だ。
地元紙(福島民報2018年3月27日付け)によると、先代は1969(昭和44)年に架設されたようで、全長19.1m、幅5.5mの木造橋。新造橋は国産ヒノキを使用し、欄干は地元の会津産漆などで朱色に染められたという。新しいが、歴史ある石垣との組み合わせに違和感はなく、日本の工芸材の能力の高さに感心した。
しばらく進み本丸を見上げる。残念ながら、桜が散り、朝日も弱く自慢の赤瓦の美しさが発揮されていなかったが、偉容さは感じる事ができた。
昨年、この時期に訪れた時には、満開の桜と朝日に照らされた赤瓦を観る事ができた。
城内には「戊辰150周年」の統一ロゴが記載された看板が掲げられていた。桜の時期以後も多くの観光客が訪れ、この鶴ヶ城を中心に“会津”の歴史の重みと役割を堪能し、できれば会津若松から延びる只見線に興味を持ってもらいたい、と思った。*参考:会津若松市「戊辰150周年記念事業」
鶴ヶ城を後にして市街地に向かい、神明通りを通る。三代目のアーケードが完成していた。
先日、15日に完成セレモニーが行われ、地元紙(福島民報2018年4月16日付け)にその様子が取り上げられていた。
アーケードは約330mで側面部分に会津木綿をイメージした縦じま模様が施されている。
照明はLEDで、昨夜このアーケードを通った時『明るい!』をその光量を実感した。
天井には三色(緑、赤、黄)灯もあり、遊び心を感じた。
アーケードは電線地中化されているが、トランスなどを内蔵した地上設備の側面には「戊辰150周年」の統一ロゴが入った地図が貼られていた。
アーケード内の店舗は約70で、広大な空き地もある。地元の方と観光客が天候に左右されず、充実した時間を過ごせる空間になるよう発展する事を大いに期待したい。
続いて、アーケードの終点を左に曲がり国道252号線(七日町通り)に入った。「野口英世青春通り」との“クランク交差点”を抜け、只見線の第1坂下街道踏切まで行き、七日町駅を背に通ってきた道を見る。見晴らしがよく、歴史ある建物やそれに倣った店舗がならび、素晴らしい景観となっていた。
ここから神明通りまでの区間(全長約900m)は「電線類地中化及び歩車道部の無散水消雪設備整備事業」が行われていて、先日一部区間(約235m)の工事が終わったと地元紙(福島民報2018年4月17日付け)が伝えていた。
除雪の事を考えてか、歩道と車道は平坦になっている。狭い道路を窮屈に感じさせない効果もあり、足元から開放感がある。
今回の工事は大きな十字交差点まで。
ここから先が未着手区間で、電柱や電線があり、違いは一目瞭然だった。
上記記事内の“2018年度、神明通りより約300mで同様の工事に着手”とはこの区間と思われる。名酒「会津中将」の鶴乃江酒造も途上にあり、完成後の街歩きが一層楽しくなるだろうと期待が持てた。
七日町駅を降りた場所に、このような“歩くを楽しめる空間”がある事は只見線の旅に厚みを持たせてくれる。この七日町通りは国道252号線で車の交通量が多い。歩行者が安全に安心して街歩きを楽しめるよう、休日など観光客が多く見込める時はノーカーDayや迂回措置を採るなど会津若松市は検討してはどうだろうか。
この七日町通りの整備と平行するように、「野口英世青春通り」(会津若松駅中町線)でも道路整備(美装化事業)が行わていた。
この道路は会津若松駅に直結していることもあり、観光客には駅から市街地への導線となる重要な道だと私は思っている。今後、沿道の店舗が魅力あるものに整備されれば、駅から歩く観光客が増え、七日町通りや神明通りとの相乗効果で客の滞在時間が延び、経済効果も上がってくるのではないか。
会津若松市街地が“歩くを楽しめる”歴史都市に変わる事を大いに期待したい。
「野口英世青春通り」を抜けて会津若松駅に向かう。駅舎上空にはキレイな青空が広がっていた。昨日より青さが冴えていた。
切符を購入し改札を通り只見線のホームに向かう。連絡橋からみる「磐梯山」は、霞掛かってた。
6:00、只見線の始発列車、会津川口行きは定刻に出発。
目的地の三島町の会津宮下駅までは840円。
始発で、かつ土曜日ということもあり、高校生の乗車も少なく、1割程度の乗車率だった。車窓から見える早朝の冴えた空気に映える春の風景を考えると、もっと観光客が乗り込んでもおかしくないと思うのは私だけだろうか。
七日町、西若松を過ぎ、大川(阿賀川)を渡った。
会津本郷、会津高田を経て列車は大きく右にカーブする。代かきが終わった田は沼のようで、トラクターが浮かんでいるようだった。
路線両脇の田では代かきが進められいて、秋の実りに向けて会津平野に生命が宿る事を感じた。
根岸、新鶴、若宮を経て、会津坂下に停車。すれ違う上り列車を待つ、生徒を中心とした多くの乗客がホームに居た。
会津坂下を出ると、ディーゼルエンジンを大きく蒸かして七折峠に向かった。
会津柳津を出発し、福満虚空蔵菩薩圓蔵寺の裏手を通り過ぎ、真言宗豊山派月光(ガッコウ)寺の裏手に架かる満開の桜に挟まれた橋梁を渡る。後部車両の窓から様子を見ると、10名を超える撮り鉄諸氏の姿があった。
本番は次の上り列車(会津若松行き)で、試し撮りをしていたのだろう。撮影後、その場所を動く人の姿は無かった。
彼らは、この写真を撮るためにこの場所に居る。桜に挟まれた列車を撮る事ができる只見線屈指の春の撮影場所だ。
列車は進み、“Myビューポイント”を通過。雲は無く、奥会津地域も晴天に恵まれた一日になるだろうと思った。
郷戸に到着。貨車を用いた小さな駅舎が、満開の桜に包まれていた。
次駅の滝谷では、使われなくなったホーム上に山桜が見られた。
駅に近い小高い場所にある墓地には撮り鉄諸氏の方々。
滝谷を出発し、直後に滝谷川橋梁を渡り三島町に入る。緑は少なく、冬の名残りが車窓から感じられた。*以下、各橋梁のリンク先は土木学会附属土木図書館「歴史的鋼橋集覧」
列車は減速し、“アーチ3橋(兄)弟”の長男・大谷川橋梁を渡り、次男・宮下橋(県道237号線)を見下ろしながらゆっくりと進んだ。 *参考:埼玉県「福島県の土木構造物」
7:29、会津宮下に到着。ここですれ違いの上り列車に乗るために、ホームを下り構内踏切を渡り、1番線に向かった。
すると、まもなく汽笛が聞こえ、キハ40形の2両編成が三島神社の桜の前を通りやってきた。
到着した上り列車の後部は、昨日見かけた新ラッピング車両。その車両に初めて乗り込んだ。内部は他の車両と変わらなかった。
7:33、会津若松行きの列車は出発。往路とは反対のシートに座り車窓からの景色を眺めた。
再び見ることになった会津西方の桜は、強い日差しを受け、一層華やかに淡く輝いていた。
滝谷川橋梁を渡り、柳津町に入る。滝谷ではこちら側にも撮り鉄諸氏の姿があった。良い写真はとれただろうか。
7:50、郷戸に到着し降りた。ここにも4名の撮り鉄諸氏が居た。撮影場所は限られていたが、私は急ぎ、満開の桜が張り出す場所でシャッターを切った。
今年は桜のピンクと水仙の黄色を一枚に収めることができた。
去年、桜はつぼみだった。
駅を包み込むように立つ桜は、見事な咲きっぷりで、見ごたえがあった。
何度見ても、青空を背景にした桜は美しいと見入った。
郷戸駅の外観。駅舎が小さいため、桜の木の大きさが際立っていた。
しばらく桜を愛でた後、郷戸駅を後にして町の中心部に向かった。途中、桜越しに真っ赤な屋に柳津橋を見る。柳津の春の着くしい光景だった。
柳津運動公園野球場の桜も満開だった。
しばらく進むと、さきほど列車で通った月光寺が見える場所に着いた。満開の桜に包また寺は、情緒があった。
ここからは只見線の鉄橋も見えるためか、三脚を立てファインダーをのぞく方が居た。光の当たり具合が気になるが、構図は良いと思った。
国重文の奥之院弁天堂周辺の葉桜を見て、目的地にたどり着く。
福満虚空蔵菩薩圓蔵寺・宝物殿 の裏手になるが、多くの撮り鉄諸氏が鉄路脇に三脚を設置し、彼らの車が坂道に縦列駐車されていた。全て県外ナンバーだった。
ここは、ソメイヨシノと枝垂れ桜の間を列車が駆け抜ける撮影ポイント。私もここで撮影しようと思ってやってきた。多くの人が訪れるためか、私有地にはロープが張られ、『立ち入り禁止』の札が複数掲げられていた。
私は去年、ここを訪れ、この構図で列車を撮ろうと考えていた。
しかし、撮影場所は撮り鉄諸氏が先着していて、入り込む余地が無かった。『ちょっと、そこ(ファインダーに)はいっちゃいます...』と指摘される始末。私はやむを得ず、後方に下がり手を上に伸ばし、撮影者の間からズームしてシャッターを切ることにして、列車の通過を待った。
8:46に会津柳津を出発した下り列車が現れる頃、『来るぞっ、来るぞっ!』との言葉が飛び交い、撮り鉄諸氏はカメラに顔を近づけシャッターを切り始める。私は手を伸ばしながら、コンデジのズームとピント、露出を合わせる。しかし、液晶画面を確認することができず、勘でシャッターを切った。
結果、右側の枝垂れ桜が僅かに入ったものの、左側のソメイヨシノは一部しか映らず、想定からは程遠い一枚となってしまった。
『また来年以降に撮ろう』と思い直し、裏手から表に回り、県道225号線を下った。
まもなく満開の桜越しに、福満虚空蔵菩薩圓蔵寺の仁王門が見えた。大きな岩に建てられている寺の野趣味と、桜の淡い色合いの組み合わせは、素晴らしいと思った。
門前に回り見上げる。仁王門と桜は絵になった。
先を進み、銀山川を渡り、只見川に架かる吊り橋・観月橋に向かう。橋上から圓蔵寺の全景を眺める。上部の桜は散り始めだったが、見ごたえのある春の景観だった。*参考:会津六詣出「福満虚空蔵菩薩圓蔵寺」
観月橋を引き返し、桜越しに国道252号線の瑞光寺橋を見る。
満開の桜。良い日に柳津を訪れる事ができた、と天に感謝しながら歩いた。
振り返り、ボート乗り場周辺にある桜に埋もれた瑞光寺橋を見る。見事だった。
しばらく只見川沿いを進み、ここでも振り返り福満虚空蔵菩薩圓蔵寺を見る。真っ赤な柳津橋・瑞光寺橋に圓蔵寺という、柳津を象徴する景観をしばらく眺めた。
ここから、近くにある「憩の館ほっとinやないづ」に向かい、足湯に浸かった。入口では赤べこ「もうくん」がお出迎え。
ここでは赤べこの絵付け体験もでき、作品がブースのカウンターに並んでいた。今や福島県を象徴するキャラクターとなった赤べこ。発祥の地である柳津町の役割は、今後ますます大きくなると思った。
階段を降り、足湯に向かう。外湯も一部開放されていて、開放的な空間でゆったりと過ごす事ができた。
足湯を出て、再び只見川の堤防に上がり、ベンチに座り時間を潰す。タンポポの黄色が景色にアクセントを加え、目を楽しませてくれた。
11時から15分程過ぎて看板が“営業中”に変わる。店主に確認をとって店内に入った。
窓際の席に座り店内を見渡す。解放的で清潔感もある、お洒落な空間だ。洋食店でカツ丼とは違和感があり、どんな形で出てくるか楽しみだった。
待つ事こと20分ほど。バターの香りを漂わせて料理が運ばれてきた。皿に盛られ、オムライス風だが、ソースが掛けられた大きなカツが載っていて、間違いなく「柳津ソースカツ丼」だった。
半熟の卵焼きの輝きとカツの全面を覆うソースの光沢。そして皿全体から立ち上るバターとソースの香りが食欲を刺激した。
丼だが、スプーンを使い食べ始める。半熟卵の下には、やはり千切りキャベツが敷き詰められ、本物の「柳津ソースカツ丼」であることを再確認する。
味、香り、食感ともに申し分なく、旨い! カツも厚みがありながら柔らかく、食べ応えがあった。
洋食店のカツ丼の先入観は、見事に打ち砕かれ、大満足の逸品だった。
「柳津ソースカツ丼」を頂いたのは「キッチン ノエル」で3店目だが、それぞれに特徴があり、“ご当地感”を味わいつつ楽しめた。当日中の食べ比べは難しいかもしれないが、是非、只見線を利用し柳津町訪問のリピーターとなって食べ比べて欲しい。
次は食後のデザート。柳津名物「あわまんじゅう」の食べ比べを行うため、県道225号線に並ぶ3軒の店に向かった。
「あわまんじゅう」とは、江戸時代後期、町が福満虚空蔵菩薩圓蔵寺の火災や水害など、数々の災害に見舞われ、当時の住職が『二度とこのような災害に「あわ」ないように』と寺に供えた菓子に由来する。
一軒目は「岩井屋菓子店」。
途中、また桜を観た。福満虚空蔵菩薩圓蔵寺前の坂を上り、振り返り桜越しに瑞光寺橋を眺めた。この構図も美しいと思った。
二軒目は「はせ川屋」。
最後の三軒目は「いなばや菓子店」。
それぞれの店舗で2個の「あわまんじゅう」を購入し、会津柳津駅に向かった。「香月堂」と「小池菓子舗」は何度かお世話になっているため、今回は遠慮した。*追記:「香月堂」は今年1月から休業しているということだった。
駅前は満開の桜に包まれていた。淡い青空に広がる、これまた淡い桜の花びら。道路に散り広がった花びらに落ちる桜の影。素晴らしい光景に、道の真ん中であったがしばらく見入った。
駅舎に到着すると、周辺では東南アジア系の5名の女性グループが桜を背景に何度も何度も写真を撮っていた。
無人の改札を通りホームに行く。ここで「あわまんじゅう」をいただいた。「岩井屋」はしっとり、「はせ川屋」は粟の食感が感じられ、「いなばや」は粒あんが特徴的だった。微妙な違いだが、店の特徴があり、食べ比べは面白かった。
「あわまんじゅう」は出来立てを食べる事が何よりなので、各店舗の品を食べ比べられるスペースがあれば良いのではないか。お茶などを用意して店内で食べられる店舗もあるが、気兼ねなく食べ比べるには別の場所にフリースペースが欲しいと私は思う。
「あわまんじゅう」が特異な存在だけに、食べ比べスペースは観光客への訴求力は大きいだろう。
「あわまんじゅう」を食べ終え、列車を待つ。列車がやってくる只見方面の山には雪が残っていた。桜と残雪は、只見線の春をよく表していると思った。
13時23分発の列車は定刻に到着。改めて眺めると、只見線を走るキハ40形東北地域本社(仙台支社)色(白と二色の緑のライン)は沿線の自然との調和は申し分ないが、桜とは最も相性が良いのではないか、と思った。このカラーリングは、只見線が存続する限り維持して欲しいと願う。
会津柳津を出た列車は会津若松に向けて、快調に走ってゆく。
塔寺の手前、七折峠を下る途上で左(北側)の車窓に目を向けると、雪がしっかりと残っている飯豊連峰が見えた。ここからの眺めは素晴らしい。
14:25、会津若松に無事に到着。
15:05、郡山行きの列車に乗換え、定刻を7分ほど遅れ郡山に到着した。郡山駅上空は雲一つない青空が広がり、気温は高かった。半袖の通行人の姿もあり、桜を堪能してきた私は戸惑ってしまった。
今日、三島町の桜は、会津宮下駅と只見線沿線から見えるものだけだったが、桜の咲く時期の空気と雰囲気を現地で体感できてよかった。来年以降は、ゆっくり町内の桜を観てみたいと思う。柳津町の桜は昨年に引き続き観る事になったが、満開の時期に訪れる事ができ、柳津の春の魅力に感動した。
只見線の車内からの景色もさることながら、列車と桜の組み合わせは集客力が高いと改めて感じた事は、只見線の今後を考える上で良かった。
今回の旅で思った事。
只見線は撮り鉄諸氏には魅力的な路線で、この桜の時期を問わず、四季を通じて多くのカメラマンを引き寄せる。その人気は全国区で、今日もこの場所には横浜や熊谷、所沢などのナンバーが見られた。
只見線は2021年度内の復旧が決定し、昨年末の只見線復興推進会議検討会では利活用促進案の一つとして「奥会津景観整備」と称し、撮り鉄諸氏を呼び込むための事業が進められる予定で、今後さらに多くの方々がカメラを携え沿線を訪れる事が考えられる。
しかし、撮り鉄諸氏の中には“撮るだけで、地元に一銭も落とさない”方が居るのも事実だ。
福島県は只見線の運休区間を所有し、会津17市町村とともに、その運行経費を税金で負担し続けることになる。この経費負担を軽減するためには、只見線から発生する価値には、一定の対価を得る取り組みが欠かせない。只見線に乗車しない撮り鉄諸氏も例外ではない。
私は①“撮り鉄乗車券”の発行、②撮影ポイントの有料化(予約制)を提案したい。
①“撮り鉄乗車券”の発行
これは撮影ポイントに電子マネー式の券売機を設置し、撮り鉄諸氏に“乗車券”を購入してもらうというもの。区間は運休の最短区間・会津横田~会津大塩間(2.2km)の140円から運休全区間・会津川口~只見間(27.6km)の500円。撮影場所の区間(福満虚空蔵尊圓蔵寺裏ならば会津柳津~郷戸間3.6km、190円)でもよい。撮り鉄諸氏が只見線に乗った事としカウントでき、乗車実績に反映させられ、“運賃収入”も得られる。
また、発行する“乗車券”に直前に通過した車両の写真を印刷するなどの工夫をすれば、その対価として“運賃”を支払ったと思え納得できるのではないか。何より、“運賃”を支払う事で、撮る対象(只見線)の存続に役立てられる。
②撮影ポイントの有料化(予約制)
これは誰でも公平に安心して撮れる事も意図している。
撮影ポイントは早い者勝ちという暗黙のルールがあるかもしれないが、時間の制約がある方やインバウンドは撮影の数時間前には行けない。また、中にはお金はいくら出してもいいから、良い場所で撮影したいという方も居るかもしれない。只見線の現状と今後を考えれば、そのような方は大歓迎となる。撮影したい場所と時間で予約が取れれば、必ずそれが叶うという仕組みは定時性を持つ列車との親和性は高く、只見線にはそれが必要だと思う。
管理はドローンやスマホなどのハードとICT技術を組み合わせれば、さほど困難ではないだろう。地元の会津大学やOBが設立したベンチャー企業など、協力を得られるチャンネルは豊富だ。福島県が中心となって行政が費用の下支えをすれば、実現の壁は高くはない。
只見線を維持するために、撮影するだけでも一定のコストを払っていただく。この文化を創り、根付かせるよう、福島県には動いて欲しいと思う。
(了)
・ ・ ・ ・ ・
*参考:
・福島県 生活環境部 只見線再開準備室:「只見線の復旧・復興に関する取組みについて」
・東日本旅客鉄道株式会社:「只見線(会津川口~只見間)の鉄道復旧に関する基本合意書及び覚書」の締結について(PDF)(2017年6月19日)
【只見線への寄付案内】
福島県はJR只見線全線復旧後の「上下分離」経営での維持費や集客・地域振興策の実施費用として寄付を募集中(クレジット可)。
①福島県ホームページ:只見線復旧復興基金寄附金・只見線応援団加入申し込みの方法 *現在は只見線ポータルサイト「只見線応援団」URL:https://tadami-line.jp/support/
②福島県:企業版ふるさと納税
URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16005g/kigyou-furusato-zei.html
[寄付金の使途]
(引用)寄附金は、只見線を活用した体験型ツアーや周遊ルートの整備、只見線関連コンテンツの充実化等に活用させていただきます。 沿線地域における日本一の秘境路線と言われる観光資源を活用し、更なる利用者の拡大と認知度向上を図ります。
以上、よろしくお願い申し上げます。
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