金山町「なかがわ雪月列火」 2019年 冬

会津中川駅東側の田んぼに灯ろうが並べられ、幻想的な光景が創り出される「なかがわ雪月列火」を見ようと、JR只見線の列車に乗車し金山町に向かった。

 

「なかがわ雪月列火」は今年で3回目を迎える“若い”イベントだ。只見線の運休区間が福島県による「上下分離」と「運営費負担」(会津17市町村を含む)という手法で復旧される見通しとなった事を契機に2017年2月19日から始まった。主催は「只見線つなぎ隊」。

 

有志を募り、当日の昼から500本の灯ろうを並べ、16時から点灯する一夜限りのイベントとなっている。「第41回会津かねやま雪まつり」の“前夜祭”という位置づけもされているようだ。

 

今日の旅程は以下の通り。

・会津若松から只見線の列車に乗って会津川口まで行く

・会津川口駅から、歩いて会津中川駅まで引き返す

・「なかがわ雪月列火」の準備風景を見る

・「道の駅 奥会津かねやま」で待機

・「なかがわ雪月列火」越しに入線する列車を見て、撮影する

・最終列車で会津若松まで戻り、当地に宿泊する

 

只見線の上り最終列車は、磐越西線・郡山行きの最終列車に連絡しないため、次の日に予定がある場合、このような夜のイベントに参加できない不便がある。この点も、2021年度の全線再開通までに、福島県が中心となってJR東日本に掛け合って欲しいと思っている。

*参考

・福島県:JR只見線 福島県情報ポータルサイト

・東日本旅客鉄道株式会社:「只見線について」 (2013年5月22日)

・NHK: 新日本風土記「動画で見るニッポンみちしる~JR只見線」 

・拙著:「次はいつ乗る?只見線」カテゴリ ー只見線沿線のイベントー / ー只見線の冬

 

 


 

 

10時過ぎに自宅を出て、郡山駅に向かう。天気予報通り昨日より暖かく、陽も差していた。 切符を買って改札を通り、1番線に停車中の列車に乗った。

 

10:44、会津若松行きの列車が、ほとんどの座席を埋めて出発した。

喜久田を過ぎたあたりから、陽が陰り、磐梯熱海では雪が舞い、沼上トンネルを抜け会津に入ると雪模様となった。猪苗代付近では吹雪いていて、「磐梯山」が見えぬほどだった。

 

 

  

11:50、会津若松に到着。雪は降っておらず、会津地方内の天候の違いを考えさせられた。

   

只見線の列車の出発まで1時間以上あるため、昼食を摂る事にした。向かった先は、駅前フジグランドホテル1階にある「ラーメン金ちゃん」。ラーメンが500円で、何といっても旨くてボリュームのある餃子が350円という素晴らしい店だ。店内は混んでいて、私が乗ってきた列車の車掌と思われる方も同僚と一緒に居た。

  

今日は味噌ラーメンと餃子を注文し、10分ほどで味噌ラーメンが運ばれてきた。味噌の香りが立ち、食欲が掻き立てられた。田舎味噌の風味で、まろやかで濃厚な味だった。旨い!

 

間を置かず、餃子がテーブルに並べられた。

私は特徴ある餃子が好きで、その街で定期的に食べたくなる“定番”を探しているが、この餃子は“定番”にふさわしい。キャベツとニラ、野菜の量が多いのが特徴だが、皮は弾力があり、ひき肉の風味もしっかり効いている。3皿は平気で食べられる餃子だ。次は挑戦してみたい。

 

 

昼食を終え、駅舎に入り、只見線のホームに向かう。会津鉄道の臨時列車が出発すると、車庫から二度の折り返しを終えた列車が、入線してきた。

13:07、会津川口行きの列車が会津若松を出発。

  

今日も土曜日ということで、切符は郡山から「小さな旅ホリデー・パス」を使った。郡山~会津川口間の片道通常料金は2,270円なので、十分元は取れる。

  

 

列車は、七日町西若松と市街地・住宅街の駅を経て、大川(阿賀川)を渡る。 

   

会津本郷を出発した直後に会津若松市から会津美里町に入り、その後、会津高田根岸新鶴と列車は進んでゆく。

  

若宮から会津坂下町に入る。稲株が見え、今年は会津平野の積雪が少ない事を実感した。

   

  

上り列車とすれ違いを行い会津坂下を出発すると、七折峠の登坂に向けて、列車はディーゼルエンジンを蒸かした。

只見線は雪崩・落雪防止のため1月21日~3月31日間が冬期間ダイヤになっている。七折峠から先の奥会津地域はスピードを落として進んだ。

  

塔寺会津坂本を経て、柳津町に入り、会津柳津を出発して間もなく“Myビューポイント”を通過する。「飯谷山」(783m)を含む前方の山々が見えず、奥会津はけっこうな雪だろうと思った。

  

 

  

列車は、郷戸を経て、滝谷を出発した直後に滝谷川橋梁を渡り、三島町に入る。今日は、木々の綿帽子が少なく、雪が降っている事もあり、水墨画のような美しさは今ひとつだった。*以下、各橋梁のリンク先は土木学会附属土木図書館歴史的鋼橋集覧

 

 

 

列車は橋梁区間に入ってゆく。 

会津桧原を過ぎると、今日は車掌から『トンネルを抜けると第一只見川橋梁を渡ります』という観光案内が車内放送でなされた。そして、桧の原トンネルを潜り抜けると、その「第一只見川橋梁」を渡った。

ここも、最近の気温が高く、昼過ぎということもあってか木々の綿帽子がほとんど見られず、前方の日向倉山(605m)をはじめ山稜は雪雲に隠れていた。期待が大きかっただけに、残念だった。東北電力㈱柳津発電所の調整池となっている柳津ダム湖が見せる“水鏡”も精彩を欠いていたので、車窓からの風景は本来の7割減という感じだった。ただ、これも自然で、これが自然景観美の一つと思うと納得できた。

 

 

続いて、会津西方を出発した直後に「第二只見川橋梁」を渡った。このような天候だと、一層左岸のコンクリート擁壁が目立つ。列車内からの“景観創出”を考えて欲しい場所だ。

 

列車は、“アーチ3橋(兄)弟”の長男である大谷川橋梁を渡り、次男・宮下橋を見下ろしながら減速する。ちょうど真っ赤な車が通過し、まさに“紅一点”となった。*参考:埼玉県 観光「【橋りょう】新宮下橋・JR只見線大谷川橋梁・宮下橋〔三島町〕

  

 

会津宮下を出発すると、東北電力㈱宮下発電所と宮下ダムの脇を通り過ぎた。
 

列車は、宮下ダム湖(只見川)の直側を、短いトンネルとスノーシェッドを潜りながら駆け抜けてゆく。

  

ごく短い時間、只見川の姿が見えなくなった後、「第三只見川橋梁」で渡河した。

ここは上下流両側とも車窓から渓谷美を楽しめるところだが、このような積雪量と天候だと下流側の国道252号線高清水スノーシェッドのむき出し部分が目立った。これは第三橋梁を通過する列車を撮影する鉄道写真愛好家の為に「景観創出事業」として木々を伐採してできた空間。もっと、“乗る人”の視点を大事にして欲しかったと、今日は強く思った。

  

  

この後、列車は早戸を経て金山町に入り、会津水沼を過ぎて下路式トラス橋の「第四只見川橋梁」を渡る。

列車がゆっくり走っていたため、鋼材の間から只見川の様子をはっきりと見る事ができたが、シャッターを切るのが遅く、雰囲気が伝わらない写真となってしまった。橋梁付近は東北電力㈱上田発電所・ダムに近い下流側で、水深が浅いため表面には流紋が見える。

 

   

15:02、会津中川に停車。「なかがわ雪月列火」の準備がホーム前の会場で進められていた。

 

会場設営スタッフは、列車の入線から出発まで見送り、手を振っていた。

  

  

列車は、大志集落を眼下に見ながら進み、只見川(上田ダム湖)が近づくと減速して林道の上井草橋を潜る。

 

  

 

 

 

15:08、ほぼ定刻に、終点の会津川口に到着。反対側のホームには除雪機が待機中だった。

  

ホームから只見川の景色を見る。雪の量が増え、霞んで見えた。

    

 

駅舎を抜け、国道252号線を会津中川駅方面に向けて歩く。会津川口駅のホームを見渡せる地点で振り返り、デジカメをズームにして写真を撮る。雪の降りは激しく、只見線の冬らしい一枚になった。

もし、手前の電線がなければ、もっと良いだろうと思う。福島県が進める「(只見線)景観創出事業」で電線地中化(地上設置)を検討し、是非実現させて欲しいと思った。

    

私の乗ってきた列車は、24分後に折り返し会津若松行きになる。この列車の写真を撮るために、上井草橋の上に行く。すでに3人の“撮り鉄”が居た。

しばらくすると、ヘッドライトを付けた列車が動き出し、こちらに近づいてきた。頃合いを見計らってシャッターを切った。

 

続いて、橋のたもと付近に移動して、大志集落へ向かう列車に向かってシャッターを切った。どちらも、想像していた構図となり、満足した。

  

 

大志集落を背景に列車を撮る場合、上井草橋から約200mほど会津若松方面に向かった場所にある「かねやまふれあい広場」が良い。ここには2名の“撮り鉄”が残っていた。*参考:金山町観光情報サイト「奥会津ビューポイントかねやまふれあい広場」URL:https://www.town.kaneyama.fukushima.jp/site/kanko/hureaihiroba.html

 

「かねやまふれあい広場」展望所からの構図。列車の車窓からは、開かれた良い風景が見られる。

  

大志集落は大屋根の曲家が密集した住宅地が只見川(上田ダム湖)に突き出ていて、素晴らしい景観を作っている。会津川口駅から直線距離で約1km、南東に離れた高地(尻拭峠)から見える大志集落(大志俯瞰)は素晴らしく、多くの“撮り鉄”が推す鉄道風景となっている。

    

  

「かねやまふれあい広場」を後にして国道を歩いていると、後方から軽いディーゼルエンジンの音が聞こえた。『もしや』と思い、レールが見える位置に行くと、会津川口駅のホームに待機していた除雪車が走行していた。次の下り列車に対応するために、会津宮下駅にでも待機するのだろうかと思った。

  

  

 

会津川口駅を出発して約30分で、会津中川駅東側に広がる「なかがわ雪月列火」の会場に到着。

   

灯ろう設置は終わり、16時も近づいていたので、スタッフは点火作業に移っているようだった。

  

雪が時折激しく降り、会場の奥の方で動き回るスタッフが霞んで見えた。

 

灯ろうの“フタ”を一つ一つ上げ、チャッカマンで点火していた。スタッフに頭が下がった。

  

  

駅を背にして右側(南側)の高台(普段は道)には三脚を設置するカメラマンの姿があった。この方々の大半は、近くの中川郵便局の駐車場に車を停めていたようで、6台中5台が県外ナンバーだった。

 

 

 

只見線の列車通過は19時過ぎで約3時間待たなければならなかった。会津中川駅舎は小さく、「なかがわ雪月列火」のスタッフも利用しているようなので、すぐ近くにある「道の駅 奥会津かねやま」(旧金山町活性化センターこぶし館)に向かった。

 

メイン施設である地域振興施設「こぶし館」は17時30分までの営業だったので、24時間開放されている休憩所で、時間まで過ごした。読書をしたが、ここには暖房器具が無く体を震わせ続けなければならなかった。トイレがあるため、何人もの方が出入りしたが、大半はすぐに暖房の効いた車の中に帰って行った。天井吹き抜けで、暖房効率が悪いために暖房が無いのだろうか。観光客が訪れるイベント開催時は、ストーブの一つでも置いて欲しいと思った。

この他、会津中川駅周辺には、中川温泉(町福祉センターゆうゆう館内、19時30分まで営業)があるが、休憩スペースが限られている点を考え、今回は利用しなかった。*参考:金山町観光情報サイト「中川温泉」URL:https://www.town.kaneyama.fukushima.jp/site/kanko/onsen-guide-nakagawaonsen.html

「なかがわ雪月列火」はまだ3回で、客の大半が車で来ているようだが、福島県が進める「只見線利活用事業」の結果、只見線に乗って現地を訪れる観光客が増える可能性がある。便数の少ない只見線を利用して訪れた観光客が、最低限の環境で時間を過ごせるような場所の整備を金山町には検討して欲しいと思った。


 

 

18:40、道の駅を後にして「なかがわ雪月列火」の会場に向かった。会津中川駅の南側にある荻付第一踏切を渡ると、灯ろうの列が目に飛び込んできた。

 

雪原に整然と並び仄かな光を放つ灯ろうと、明るく照らされた駅のホーム。美しい光景だと思った。

    

周囲を見ると、カメラマンの数は増えていた。

 

灯ろうを囲むように、三脚が並べられ、ほとんどの方が只見線の列車の到着を待っていた。

ここで、トラブルが起こった。どうやら、先乗りしていた方の前に別のカメラマンが入ったようで、先乗りの方が『邪魔じゃないかっ!(その位置では写真に)入っちゃうよっ!』と大きな怒り声を発した。私から見ると、さほど近づいているわけでもなく、許容範囲と思えた。後から聞くと、この先乗りの方は口角レンズを使い撮影したかったようだ。

一夜限りで、只見線列車が上下1本ずつという制約の中、多くのカメラマンが居るのだから、先乗りという理由だけで撮りたい写真が撮れるはずはないと思う。制約の中で、良い写真を撮るのも撮影の楽しみでもあると思う。

只見線の撮影ポイントでは、このようなトラブルは頻発する。私は、良いアングルが得られる撮影場所は予約・有料制にすることも考えなければないと思う。ネット予約が可能になれば、インバウンドの方も時間の制約の中、良い写真を撮って帰国することができ、只見線の“乗車外収入”にもなる。福島県は本気になって考えて欲しい。

  

  

19時を過ぎると、運営スタッフが拡声器を利用し只見線の列車の運行状況を伝えてくれた。2分ほど遅れているとの事だった。また、撮影時は運転手に影響を与えるのでフラッシュを焚かないように、と何度も注意があった。この間、2,3度列車の汽笛が響いた。列車の到着が近い事が分かった。

   

19:08、ヘッドライトの明かりが差し込み、会津川口行きの下り列車が入ってきた。周辺から人の話し声が消え、シャッター音が鳴り続けた。

  

列車が停車し、私も三脚に固定したコンデジのシャッターを押したが、三脚を柔らかい雪の上に固定したためか、少しぶれてしまった。夜景撮影は難しいと思った。

 

列車が発車した後、慎重にシャッターを押すと、列車の光が流れる一枚となった。工夫すれば、コンデジでもこれだけの写真が撮れると分かり、感動した。

この後、他のカメラマンが、撮った写真を評じながら、30分後に折り返しの上り列車を撮影するための準備をする中、私はその列車に乗るために、三脚を畳み会津中川駅に向かった。

    

駅舎の中は、運営スタッフで混雑していた。ストーブがあり、甘酒も振舞われていた。私は暖を取らせてもらい、列車の到着時刻に合わせてホームに向かった。

 

ホームから見ると外灯の輝度が高く、幻想感は失われていたが、背後が真っ暗であるため、見応えはあった。

   

まもなく列車が入ってきた。私を含め6名が乗り込んだ。

19:40、会津若松行きの最終列車が会津中川を出発。車窓から灯ろうの様子を見たが、車内が明る過ぎて、よく見えなかった。やはり、灯ろう越しに列車を見るのが一番だと思った。

   

只見線の車内では、会津川口駅前の売店で買っておいたワンカップを呑んだ。列車旅はこれができるから良い。体も内側から温まり、良い旅の良い締めくくりができた。

今夜は会津若松市内に泊まり、明日は「只見線利活用事業」の「冬の奥会津ぶらり旅」を利用する予定だ。

     

 

 ...初めて「なかがわ雪月列火」を見たが、とても良かった。

会場が広く、灯ろうの数も多く、想像以上の幻想的な光景を見る事ができ、素晴らしいイベントだった。運営スタッフには感謝申し上げたい。来年も行う予定だというので、都合がつけば訪れたいと思う。

 

「なかがわ雪月列火」は、只見線の観光資源としても価値が高いと思う。そこで、福島県などの行政支援をもっと受けて期間を延ばす事を検討してはどうだろうかと思った。灯ろう設置や点火、保守に人出が欲しいと思うが、この点は会津大学の力を借りてドローンで管理するなど、少ない労力で実施できるような仕掛けはできないだろうか。

素晴らしい景観を創り出す「なかがわ雪月列火」が、一夜限りというのは惜しい。このようなイベントができる駅も、運休区間以外では会津中川駅だけだと私は考えている。最低でも二度の金土日を含む10日間の開催が望まれる。主催した「只見線つなぎ隊」にとっては、行政との交渉など負担になると思うが、「なかがわ雪月列火」が“観光鉄道「山の只見線」”の冬の風物詩となるよう期待したい。もし、福島県の担当者が「なかがわ雪月列火」を見たのであれば、現場が動く前に、県側から働き掛けて欲しいと思った。

 

 

(了)

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・

*参考:

・福島県 生活環境部 只見線再開準備室只見線の復旧・復興に関する取組みについて

・東日本旅客鉄道株式会社:「只見線(会津川口~只見間)の鉄道復旧に関する基本合意書及び覚書」の締結について(2017年6月19日)

  

【只見線への寄付案内】

福島県はJR只見線全線復旧後の「上下分離」経営での維持費や集客・地域振興策の実施費用として寄付を募集中(クレジット可)。

①福島県ホームページ:只見線復旧復興基金寄附金・只見線応援団加入申し込みの方法 *現在は只見線ポータルサイト「只見線応援団」URL:https://tadami-line.jp/support/

 

②福島県:企業版ふるさと納税

URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16005g/kigyou-furusato-zei.html

[寄付金の使途]

(引用)寄附金は、只見線を活用した体験型ツアーや周遊ルートの整備、只見線関連コンテンツの充実化等に活用させていただきます。 沿線地域における日本一の秘境路線と言われる観光資源を活用し、更なる利用者の拡大と認知度向上を図ります。

 

以上、よろしくお願い申し上げます。

次はいつ乗る? 只見線

東日本大震災が発生した2011年の「平成23年7月新潟福島豪雨」被害で一部不通となっていたJR只見線は、会津川口~只見間を上下分離(官有民営)し、2022年10月1日(土)、約11年2か月振りに復旧(全線運転再開)しました。 このブログでは、車窓から見える風景写真を中心に掲載し、“観光鉄道「山の只見線」”を目指す只見線の乗車記や「会津百名山」等の山行記、利活用事業に対する私見等を記します。

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